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「連合赤軍「あさま山荘」事件 」佐々淳行

最近ではなにか事件が起こるとテレビに出てくる人になりつつある佐々淳行氏(wikipedia)が書いた本です。

佐々氏は警察官僚出身のいわゆる「危機管理のエキスパート」なんですが、爆弾を冷却処理する方法を持ち込んだ人でもあるんですねえ。

学生運動が盛り上がるまっただ中、当時いわゆる「敵」とされた機動隊を率いて真っ向から戦っていた佐々氏は、あさま山荘事件の実質上、指揮者に抜擢され(実際の肩書きはナンバー2だったそうな)事件終結までの奮闘記がこの本では読めます。

本を通じて全体的に「オレカコイイ」という空気がしないでもないです(笑
長野県警との軋轢や、警察上層部のやりとりなどなど裏事情も満載で飽きることなく読めました。

ただし、「犯人の心理」という描写は皆無なので
その辺を読みたい方は、この本じゃない方がいいです。
この本では犯人達は
たった一言「敵」という記号でしかありません。
確かに現場で二人の機動隊員が撃たれて死んでいるから
それは仕方ないと思います。

テレビで歌を歌ったりしている変な政治家としての認識も高めな、亀井静香氏が
勝手に現場で前に出て行ったり、
「長野県警にこんな警備できるか!」と暴言を吐くなどの
今とさして変わらぬ空気の読めなさ満開のエピソードも多数w
(亀井氏も当日、現場にいたそうです。彼も警察官僚出身。)

自分達庶民からすると警察って組織はみんな同じだと思えるんだけども
この本を読むと、いかに中がバラバラなのかがよくわかります。
正直、あさま山荘事件の事よりも、警察内部の事の方が多く書かれています。

この本は映画「突入せよ!あさま山荘」の原作でもあるんですが
ボロクソに書かれた長野県警は映画化する時に協力しなかったそうで
実際のロケは新潟で行われたそうな。
ガキじゃあるまいし・・・・・
そんな事するから余計にバカだなあと思われるんだよ(笑)

しかし、よくここまで当時の事を覚えてるもんだなあ。佐々氏。

彼の「オレカコイイ」満載のこの本。けっこうオススメです。


Published inノンフィクション

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