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「雪月夜」馳星周

「不夜城」を読んでその世界にハマった人なら、あのスピード感と絶望感と言えばご理解頂けると思いますが(笑)この作品もそういう雰囲気がいっぱいです。

しかし今回は新宿のビル街ではなく、北海道の根室が舞台。
僕自身、北海道には行ったことがないんですが、この作品に書かれている自然の厳しさが本当ならばスゴイですね。
主人公の父親はロシアの操業船相手に商売をしてたという設定なんですが、そんな目の前に「ロシア」があって、またロシア人が街中を闊歩してるというその描写も新鮮でした。

その主人公の幼なじみがヤクザとなって、ある人物が持ち逃げしたお金を追いかけて東京から根室に戻ってくる所から物語は始まります。
この二人のエピソードを織り交ぜながら、物語は進むんですが
お馴染みの裏切りと暴力の描写がテンポ良く挿入され
クライマックスは「ああ、やはり」とこの幼なじみ同志殺し合いをする展開に。

そして全員死亡という、ファンなら思わず納得(笑)の展開です。

しかしこの馳星周という人はいつもそうなんですが
作品中に「後継者」的な存在一切匂わせずに、その作品中で全て燃焼させるかの如くの描き方をします。
まあ、「不夜城」三部作で続き物にトライした事もありますが、明らかに失速してる感じはありましたし。
新宿の鮫みたいな描き方をすれば、安泰なのにというシロウト考えが及ばない所にプロとしての存在価値があるんでしょうね。

この作品は、ふいに挿入される「自然の美しさ」が
その残忍な物語と奇妙なコントラストを表していて、
それがすごく印象に残りました。

ファンの人にはオススメ。
初めて読む方は・・・・まず「不夜城」をw


Published in小説

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