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「ロンドン・コーリング」The Clash

「London Calling」はザ・クラッシュの3枚目にあたるアルバム。
アナログで出た当時は2枚組でした。
お金を持ってないファンの為にレコード会社に掛け合って値段を下げさせたとか。

あの77年から始まったロンドン・パンクムーブメントの中で、
唯一ファンに優しかったというエピソードが残る彼ら。
帰れなくなったファンの子を自らの宿泊ホテルの床に泊まらせた、
などなどとてもファンを大事にしていたそうです。

パンクムーブメント当時は小学校だった僕。
もちろんリアルタイムで聞いてたはずもなく、
高校の時にバンド組んだ絡みからセックス・ピストルズという名前を聞いて
「なんてハレンチな!」という、お子様満開な感想から興味がわいて
色々なパンクバンドを聞くようになったんだけども、このクラッシュが一番しっくり来た気がします。

パンクという言葉は非常に誤解されやすい単語で、
「テンポが速ければパンク」「演奏がヘタじゃないと」等々
上っ面の部分だけがやけに取りざたされる傾向にありますが、大
事なのは「D.I.Y.(Do it Yourself)」精神であると今でも思います。

既存の物を壊す、という概念が大事という人もいますが、
そう考えるとジョン・ライドンはピストルズをやめてP.I.L.を結成して斬新な音楽をやりだしたし、
ジャムのポール・ウェラーもスタイル・カウンシルを結成してオシャレな音楽をやりだしましたね。

クラッシュの場合は不器用だったのか、そういう新しいバンドを組んでって事はなく、
クラッシュのまま色んな実験的な音楽を取り入れていったように思えます。

特にこの「ロンドン・コーリング」は前2作品とは明らかに違う実験的な試みが色々盛り込まれており、
個人的にはビートルズの「ホワイト・アルバム」みたいな感想を受けます。
しかし歌われている内容は、まさに「クラッシュ」といえる世界感。

「こんなのパンクじゃねえよ」って人は、たぶん耳から入ってくる音だけで判断してるんだろうな、と思います。
ロンドン・パンクムーブメントは当時の社会背景、音楽業界、ファッション業界すべての動向が絡み合って生まれたものですから、それらを全部読み取るようにするといつか「ああなるほど」ってわかる時がくるのではないでしょうか。

個人的にはタイトル曲以外に「Clampdown」「Spanish Bomb」がベストトラックだと思います。


Published inCD:70年代音楽

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