Skip to content

「加治隆介の議」 弘兼憲史

弘兼憲史氏のマンガと言えば、今でも継続して連載中の「島耕作シリーズ」が有名ですが、こちらの「加治隆介の議」は商社マンだった主人公が、代議士であった父親の急死をきっかけに地盤を引き継いで政治の世界に飛び出していくというお話。

もちろん最後は
総理大臣になってエンディングなのですよw
まあ、所詮マンガなので
それでいいんですけども。

このマンガの良いところは細かい所は別として、ざっくりと選挙制度・国防・外交・機密費などなどの知識を吸収できる所。
全てを鵜呑みにするかどうかは読んだ人次第。
「うーい?よくわかんねーよ政治ってよー」という人、
まずこのマンガを集中して読んでみましょう。
それなりの字数もありますし、理解するために頭もいりますが
これぐらいの情報を理解しようとする根気がないなら
たぶん政治の事なぞ気にしなくても
そのまま生きて、そして死ねますのでご安心。

商社マンから選挙を経て政治の世界に飛び込む主人公。
選挙の段階から党の公認だとか
ウグイス嬢のバイト代上限などの色々な事が学べます。
そして選挙に一度落ちるのですが、選挙後に代議士が一人死亡したために
繰り上げ当選で政治家になります。

官房長官機密費だとか
派閥のめんどくさいしがらみであるとか、
大臣の下に政務次官がいるとか、
国連の常任理事国になるメリットだとか
国防関連の法律のおかしな話だとか
主人公が色々な省に出向く度に
ストーリーの中で色々な事が学べます。

特に防衛庁長官に主人公がなった時のお話が印象深かった。
プルトニウムを積んだ船が日本に向かう途中に
北朝鮮国籍の船にシージャックされる事件が起こるのですが
ここで描かれる自衛隊の行動範囲とかには驚いた覚えがあります。

「作者の思想が入ってる」
そりゃ確かにそうなんですけども
どっち側にせよ、主義主張をマンガでわかりやすく読めるってのは
手軽でいいじゃないのかなーと思ってます。

あ、そうそう。
弘兼憲史氏は「中年の恋愛」を描かせたら天下一品なので
この作品でも総理大臣な人が思いっきり不倫していたり
主人公が総理大臣になる決意するきっかけも
元愛人が死の間際に残した
「そうりだいじんになってください」のメモだったりします。

そう。これは永田町を舞台とした
中年の人間ドラマとも言えるでしょう。

現在、文庫コミックで全10巻発売されているようです。
少しでも自分たちの国の内情に興味があるなら
目を通しておいてもよいというマンガだと思います。


Published inマンガ

Be First to Comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA