Skip to content

「Blow up!」 細野 不二彦

「ギャラリー・フェイク」などで知られている細野不二彦氏ですが、SAXでジャズミュージシャンを目指す若者を描いたこの2巻完結の「Blow up!」はあまり知られていないんではないでしょうか。実際、今では絶版状態で手に入りにくいみたいですね。

主人公は名門ジャズ研がある大学の学生、オサム。
彼は大学を中退してプロミュージシャンを目指す所から物語は始まります。

しかし、このマンガが他の音楽マンガと一線を画しているのは・・

「食えない時期の音楽家の実態」を克明に描いている事なのです。

最近では「BECK」などの音楽マンガが人気ですけれども
あのマンガもそれなりにおもしろいですが、
やっぱりお話がとても大がかりで、ファンタジックな要素も存分に含んでますよね。

ところがこのマンガ、学校をやめた主人公は
まずキャバレーのハコバンを紹介されます。
お姉ちゃんに夢中で誰も演奏なんて聞いていない所で
「渚のバルコニー」をムーディに吹くお仕事。
しかし、道路工事なんかよりもよっぽどワリがいいんですね。
だからそのまま居座ってオッサンになっていく人もいる、と。
「そこであいつが何を感じるか、だ」と紹介した人は言います。

そこをやめたオサムは次は「カラオケの録音」の仕事を経て
アイドルのバックミュージシャンへ。

ここまで演奏という「お仕事」を描いた漫画はまずありません。

「最終的に音楽で食えるようになったもんが勝ち」という
先輩ミュージシャン達に抵抗を受けつつも
「音楽で食っていく」という覚悟をしていく描写はあまりにリアル。

このマンガのラストは
「射殺されたミュージシャンの代役が回ってくる」という描写。
本人が評価されて満を持して大きなステージへ・・・ってエンドじゃないのが
僕にとってはものすごく衝撃でした。

特に途中の大物黒人ジャズミュージシャンが
家に転がり込んでくる辺りのエピソードは
少しでも音楽に対して本気になった事がある人なら
絶対に共感できるはずです。

このマンガ、連載当時は全く知らなかったけれど
そりゃ人気も出ないわな、って思ってました。
だってあまりにリアルすぎて夢がなさすぎるから(笑)

でも、この名作が絶版ってのは納得がいかないなあ。
ぜひ、再版を願います!


Published inマンガ

Be First to Comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。