最近は皇室関連の番組のキャスターを務めておられる久能靖氏の著作。
氏はあさま山荘事件の時に現場でずっとレポートをしていたそうで、
その時の模様、そしてその後の出来事などを「マスコミの視点」からまとめたのがこの本です。
あさま山荘事件は僕が生まれてすぐの事件なんだけども、
「学生運動」というものがなんだったのか知りたくて
色々調べていくうちにあの事件にぶち当たりました。
なんせ山荘内の犯人グループには高校生がいてたので、
「その若さで何を考えて、何を思っていたか」ってのに興味があったんですね。
今でも通り魔事件とかがあるので世相としては変わってないのかも知れないけど、
「誰でもよかった」なんて事は多分当時は言わなかったろうし。
で、最初に読んだのがこの本だったんだけども、
やっぱりマスコミから見た視線のせいなのか、ものすごくシステマティックな文章に見えてしまいます。
全体の概要を知りたいのなら一番この本がいいのかも知れません。
実質、警備のトップだった佐々淳行氏の本は警察側から見た視点で書かれていて、
犯人の「心情」に触れる事はあまりしていなくて、それよりも「警察組織内の軋轢」という事が多くて、
それはそれで楽しく読めた。
今でも服役中の犯人、坂口弘氏が書いた「あさま山荘1972」が一番、その心情を読めたかな。
そりゃ本人だから当然か。
これらの本もいずれ、このブログで紹介したいと思います。
この久能氏の本は「事件のその後」について、いずれの著書よりも深く書かれています。
後日談の豊富さはこの本が一番。
CMなしにするかどうか当日決まったとか、中継のタイミングでいつトイレに行くか、
とかそういう話も書かれていて
それぞれの立場なりの苦悩が読めて興味深かったです。
いつか、そのテレビ放送の全部のテープを見てみたいな、と思うんですが
どこにもそんなライブラリ残ってないだろうなあ。
Be First to Comment