読み始めて思ったのは「刑事」と「女子高生」の攻防という、ちょっと不思議なお話という事。
この刑事さん、嫁さんに逃げられて男手一つで息子を育ててます。
しかし、その息子は「ママがいい」と無言の意思表示。
懐かない息子を日々虐待する刑事さん。
そして親に虐待されて育った女子高生。
彼女は彼氏の子供を身ごもるが、彼氏に打ち明けたら彼氏は逆上してお腹を蹴り、彼女は流産してしまう。
「自分が家庭を築くなら暖かい家庭を・・・」
そんな願いも踏みにじられた彼女は夜の街で一人の男の子と出会う。
男の子の身体にはすさまじい虐待の跡が。
「・・・・この子は私が守る」
そんな想いで必死で都会を生き抜こうとする女子高生と子供に対して
親である刑事さんは刑事ならではの手口で執拗に追跡する。
そして、色んな人間が絡み合ってきて問題はややこしくなっていく・・・
この刑事さんの捜査の手口が恐ろしいですw
そんな所から手がかり見つけんのかよ!というその怖さは
これまでの馳氏の小説にはあまりなかった描写。
全体を包むのは「幼児虐待」というテーマ。
新しい境地に挑戦したんだろうけども
もちろんこの人の小説にハッピーエンドなんぞあるはずもなく
読んだ直後は、やっぱり暗い気持ちになってしまいます。
でも、それがやめられないんですわね。
刑事の怖さを体験したいのならオススメです。
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