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「大阪豆ゴハン」 サラ・イイネス

大阪を描いた漫画といえば、「じゃりン子チエ」「ナニワ金融道」って答えが返ってくるでしょうし、大阪検定の公式教科書でもある「大阪の教科書」にもそう掲載されていますが(笑)、大阪生まれ大阪育ちの自分からするとこの二つはやっぱりどこか「ファンタジック」な色づけがされているなあ、と感じます。

その二つに出てくる登場人物が話す大阪弁は確かにそれっぽいんですけども、この言語特有の独特の間という物を表現できてない気がするのですね。

そこでこの「大阪豆ゴハン」。
週刊モーニング誌に1992年から1998年まで連載されていたマンガです。
日常の「大阪人の会話」を描いた物としては、ダントツと言わざるを得ません。

マンガの中心は大阪のオフィス街の真ん中にある旧家に暮らす
3人姉妹+末っ子弟の日常なんですが、「サザエさん」みたいな感じではなく
もっとベッタベタの大阪的風景が展開されるユルイお話。

「あいつ雨降ってけえへんねやて、スマンの」「ナンジャソラ」

この「ナンジャソラ」の間というのは、多分ネイティブの人じゃないと
理解できないでしょう(笑)

「松本さん」を「マツモっさん」と表記する細かさといい、
「あんなー!!これ内緒の話やねんけどなー!」と2階から絶叫する社長といい
「ああ、あいつああいう人間やねん。よう知らんけど。」と
言い切った直後に逃げる、というオオサカおっさんロジックまでも
完璧に描いてるのはこのマンガ以外、僕は知らないw

テツも桑田さんも確かにオオサカのおっさんには違いないけれども
やっぱりどこか漫画チックに(そしてキレイに)デフォルメされてるんですねえ。

僕がこのマンガの登場人物で大好きなのは
大阪人の父とドイツ人の母のハーフであるヘルムト岩橋(イワハッサン)氏。
金髪で端正な男前で、実態を何も知らぬ他の部署の女子社員には
「ヴィスコンティ様♪」と呼ばれているんですが
なんせ産まれてから一度もオオサカを出た事がない、というだけあって
行動様式はまさにオオサカのおっさんそのもの。
ドアは足で蹴って開ける、社員食堂のウドンの替え玉を頼む、
英語、ドイツ語を操れても日本標準語はしゃべれず大阪弁しかしゃべれない為
会議での通訳は
「そないに銀行もホイホイ首を縦に振ってくれへんので難儀なこっちゃな、と」
緊張感もクソもない内容になってしまうなどもうムチャクチャです(笑)

作者のサラ・イイネスさんが大阪在住かどうかまでは
わからないですけども、ここまで描写できるって事はすごいですね。

寝転んで「あー、だるいのー」と言いながらせんべえかじって
ダラダラとこの漫画を読んでみると、あら不思議、
あなたも「ナンジャソラ」って思わずつぶやいているかもですよ?

しかし、なんでこの名作が今も絶版なんでしょうか。
大阪検定の教科書の著者も、この漫画を知らないなんてありえへんでしょ。
大阪人がどういう生態なのかはこの漫画を読めば一発でわかるのにw

コミックスは全12巻で文庫版は6巻で発売されてます。
そして文庫版の5巻、そして6巻には書き下ろしの新作が収録!
もしよろしければ探してみて下さいね。


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