なんとなく本屋をうろついてて、「なんぞ読むかぁ」と何の予備知識もなく、なんとなく手にしたのがこの小説。この表紙に惹かれたのかな。
読み終わってから「ああ、リアル鬼ごっこの人ね(読んでないけど)」という感想。
なんちゅうか、すごくテンポ良くスイスイ読めるんだけど、それを裏返せば「薄っぺらい」って事なんかな、と。
プロローグにおっさんデカが名前入りで出てくれば、「お、こいつが重要人物か」と思うやん。
でも、登場そこだけで終わりまでなんの絡みもない。
それが「新しい」と言ってしまえばそうなんかもしれんけど
ちょっとなじめませんでした。
「赤ちゃんが欲しい」と思ってる女性に赤ん坊の泣き声付きのメールが届き
それを開いたら、その女性妊娠。
そしてきっちり一ヶ月後にお腹を破って赤ちゃん登場、そして女性死亡。
主人公二人の身内にこのメールが届き、片方は死んじゃう。
残るもう一人を救うために、主人公は奔走する。というお話。
ポンポンポンとテンポ良く話は進むんだけども
「なんでそうなるの?」という核心部分がぼやけたまま、話は終わる。
最後、その身内は助かるんだけども
死んだ女性から蹴破って出てきた子供が成長して、主人公に迫ってきて
そこで話は終わる。
「なんじゃそら」
読み終わったときの第一声がこれ。
特に気になったのは、主人公と犯人(元凶)の母親とのバトルシーン。
ちょっと表現が薄っぺらすぎやしませんか。
右フックが来た、しゃがんでよけた、その次に左ストレート、傾いてかわした
↑こんな感じの表現が延々と1頁続きます。
クライマックスのシーンにこの表現はなかろうも。
そのしゃがんでよけた(仮)の動作の間によぎる主人公の焦り、とかが
きっちりと書いてあれば、グッと引き込まれるんだろうけど
こんな状況説明だけ、だーーーっと書かれても読み飛ばしてしまいますぜ。
デビュー作の「リアル鬼ごっこ」を読んでみたくはなったけどもね。
個人的には☆2つ。
多分、読み返すことはないと思います。
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